通信用フィルタ回路の設計とその応用
小西良弘監修(NHK、工芸大・工博)
350頁
3,398円+税 1600円
1994/7
ISBN4-915449-70-X
1.フィルタの概論
2.フィルタの原理と構成のまとめ
3.電磁波回路を用いたフィルタの原理と実際
4.圧電材料を用いたフィルタ
5.静磁モードを用いたフィルタの原理と実際
6.フィルタの応用例
7.材料の評価法・付録 基本低域通過フィルタの設計公式
著者からの内容紹介
最近は移動通信機や衛星放送受信機その他AV機器などを中心として、小型でしかも低損失、かつ減衰特性の優れたフィルタが必要となってきた。 そこで、これらの条件を満たすため最近開発されてきた高誘電率低損失材料、高誘磁率をもつフェライトなどを用いて、従来のフィルタを小型化する事が行われている。
また、フェライト単結晶に直流磁界を加えた時発生する静磁モードを用いた、極めて小型な共振器を用いたものもあり、古くから高Q小形広帯域掃引発生機に利用されている。
以上はいずれも電磁波や共振磁界を用いたものである。一方、弾性波の波長が電磁波に比べて極めて小さいことを利用し、いったん電磁波から圧電材料により弾性波に変換した後、弾性波フィルタを作る。 それをまた、電磁波に変換して小形のフィルタを作るという。 いわゆる圧電フィルタがやはり古くから用いられている。 これらには、通常、水晶フィルタ、セラミックフィルタと呼ばれるものの他、最近数GHz帯までの弾性表面波フィルタなどがある。
以上述べたように、種々の材料がどのようなメカニズムで寄与しているかを統括的に理解する事が必要である。
また、これらのフィルタは材料名で呼ばれたり、また、波の種類で呼ばれたりしている。 これはそれぞれの分野での開発分野にちなんでいたからである。
そこで本書では第2 章で、電磁波、弾性波、静磁波及びこれらのモードといった波動の立場から統一的にとらえ、この波動を用いて、いかにフィルタ特性を実現するかを述べている。 そして、フィルタの構成として回路網構成による手法とトランスバーサルフィルタによる方法を述べる。
次に、第3 章から第5 章にわたって、フィルタを作るのに、上述の波動のうち何かを使って実現しているかを述べた。 すなわち、第3 章では高誘電率及び高透磁率などの材料を用いた電磁波回路によるフィルタを述べ、特に分布定数形から集中定数方、そして誘電体共振器形、また超伝導材料フィルタなどを述べている。
第4 章では、圧電材料を用いたフィルタを述べ、まず波動の基本的な説明、ならびに電磁波から弾性波への変換する各種のトランスデューサの説明を行い、次に、実際に用いられている水晶フィルタ及び圧電セラミックフィルタについて述べている。 ここでは、各種セラミック共振子のモードの説明を行い、各種フィルタの説明を行っている。
第5 章では、静磁モードの基本的な説明を行い、YIG球を用いた静磁モード共振器と各種フィルタ、また、YIG薄膜を用いたフィルタに関しては、静磁波を発生させるための電磁波と静磁波との変換器から説明し、静磁波共振器と種々のフィルタについて説明している。
第6 章では、以上のフィルタが、どの様なところに利用されているか、その応用面を移動体通信機、衛星放送受信機、マイクロ波測定器、AV機器などの面について、実例をあげて述べている。
第7 章では、これらフィルタに用いられる材料の評価法に関して、それぞれの誘電体材料、圧電セラミックス材料、フェライト材料について述べている。